温泉が交流の場

山中温泉総湯

加賀市の山中温泉の近くの山合いに塚谷郵便局はあります。ここでは温泉が市民の生活に根付いていて、朝6時ごろから総湯（菊の湯）に浸かってから職場に向かう方が多くいます。地元では総湯を「外湯(そとゆ)」、自宅の風呂を「内湯(うちゆ)」と呼んでいて、「今日は時間がなかったら内湯にしといたわ」といった会話が住民の間で日常的にかわされています。加賀市にはこのほかにも日本書紀にも名が登場する「山代温泉」や霊峰白山と柴山潟の景色が美しい「片山津温泉」といった個性的な温泉があります。どの温泉地にも新しくてきれいな総湯や足湯（無料）があるので、その日の気分に合わせて湯めぐりするのも楽しいですよ。総湯や足湯は幅広い年齢の地元の人が毎日利用しているので、人と人をつなぐ大切なコミュニケーションの場にもなっていて、加賀市の人が元気なのはきっとこの温泉のおかげかもしれません。

九谷焼や山中漆器も普段使い

江戸時代には大聖寺藩が産業振興にも力を入れ、山中温泉九谷町で「九谷焼」が誕生し、今もこの地には九谷焼に関連する仕事に従事する人が多くいます。器といえば、日本一の漆器生産額を誇る「山中漆器」も地域の自慢の工芸品です。九谷焼や山中漆器は一般の家庭でもごく普通に使われていて、県外の人を自宅の食事に招くと「こんな豪華な器を使って、料亭みたい」とびっくりされることもあります。

加賀市は海と山が近く、新鮮な幸に恵まれていることから、器とセットで楽しめるご当地グルメが県内外の人から注目を集めています。「加賀かにごはん」は、地元の橋立漁港で水揚げされた香箱ガニを１杯使ったメイン料理に、旬の食材を使った小鉢などが付いたご膳で、市内の5店舗で１食1950円（税込）で提供されています。九谷焼と山中漆器を用いて盛り付けられているので、見た目もとっても華やかです。まだ食べたことがない人はぜひ一度試してみてください。

加賀はもともとお客様をもてなす精神がまちの至るところに受け継がれているので、移住者の方も溶け込みやすい雰囲気があると思います。