能登は民俗学の宝庫

ござれ祭り

石川県柳田星の観察館「満点星」

能登は「民俗学の宝庫」と言われ、能登町柳田地区にもさまざまな文化が残っています。その一つが、ユネスコの無形文化遺産に登録される「あえのこと」です。これは田の神様に感謝し、ごちそうや風呂でもてなし五穀豊穣を願う奥能登特有の農耕行事で、一般の方も柳田植物公園内の合鹿庵で見学できます。素朴さと力強さを持つ合鹿椀やキリコに灯ったろうそくの火が夜を照らす秋祭りなども、ぜひ触れていただきたい郷土の宝です。

また、柳田地区は「星とブルーベリーの里」でもあります。環境庁の「星空の街」に選定され、柳田植物公園内には望遠鏡などを備え天体観測ができるアストロコテージがありますし、特産のブルーベリーを使ったワインやジャムなどもおいしいですよ。

柳田地区は、日本海に突き出た能登半島にありながら海に面しておらず、雪深い地域です。冬は大変な面もありますが、その分、ふきのとうが顔を出す春の訪れはうれしく、四季の移り変わりと自然を肌で感じながら生活できます。

まだまだ伸びしろがあるはず

ほかにも、柳田地区には、ここに書き切れないほどの魅力がたくさんあります。もしかしたら、住民にとっては当たり前のことで、気付いていないものもあるかもしれません。実際、私自身、これほど柳田の夜空に星が瞬いているのを知ったのは、学生時代に東京で生活したことがきっかけでした。以前、修学旅行生を集落内で受け入れた際には、私たちが何気なく食べているご飯を、中学生たちは「すごくおいしい！」と大喜びしてくれたこともありました。

このように能登にはまだまだ伸びしろがあり、それを発見するのは、いつも暮らしている私たちよりもむしろ、移住者のように外からの新しい視点で見ることができる方だと思います。ぜひ、多くの方にUJIターンしていただき、たくさんの魅力を見つけてもらえればと思います。もちろん、見知らぬ土地ですから、地域の気質や伝統行事などについて不安を感じることもあるでしょう。そんな心配を、身近な存在の郵便局員として少しでもサポートしていきたいと思います。