かかあ天下の漁師町

ヤセの断崖

西海祭り

日本海を西に構える志賀町では、荒波と吹きすさぶ強風によってできた奇岩、奇勝、断崖が連続する能登金剛と呼ばれる海岸線が約30kmも続いています。中でも、代表的なのがヤセの断崖です。松本清張の名作『ゼロの焦点』の舞台となった絶壁で、同作が計8回も映画・ドラマ化されたため、子供の頃から何度も町内で有名俳優や撮影シーンを見かけました。ほかにも、巌門や機具岩など、能登金剛の名所を上げだすときりがありません。

その中で、西海郵便局のあるエリアは日本海にちょっと出っ張った位置にある港町です。能登、しかも漁師町とくれば、どこも大漁と航海の安全を祈る盛大な夏祭りあるもので、ここ西海でも毎年8月14日に西海祭りが行われます。

ただ、ちょっと変わっているんです。漁や神事は女人禁制が珍しくありませんが、西海祭りでは女性が勇ましく活躍し、女性も担ぐキリコが地区を練り歩きます。昔から漁や航海で不在がちな男たちに代わり、女性が参加するのが伝統なんです。付け加えると、こんな伝統の影響もあってか、かかあ天下の気質が強い地域かもしれません。

海に沈む夕日が魅力

また、町の中央部のなだらかな丘陵地は、ホテルやゴルフ場、別荘地が集まるリゾートエリアになっていて、海辺にはキャンプ場がいくつもあります。どこも日本海に沈む美しい夕日が見え、こうした里山里海の環境が気に入って移住してきた方もいます。

ちなみに、西海地区では西の海に夕日が見えるだけでなく、南に海越しの白山が見えます。ただ、白山がきれいに見える日ほど、次の日は雨なんです。

近辺の漁港では、伝統漁法のカゴ漁で水揚げした甘エビが全国的な人気を誇っています。一方、地元だからこそ味わえる海の恵みもあり、ギバサやエゴといった海藻をよく食べます。

一帯では、こうした海産物や野菜をお裾分けする風景が珍しくありません。ただ、慣れていないと、それがちょっとお仕着せがましさに感じるかもしれませんね。郵便局として、移住当初に感じるそんなちょっとしたギャップをフォローできたらと思っています。