自然あり、食あり、文化あり

揚げ浜塩田

大谷川鯉のぼりの川渡し

大谷郵便局は、能登半島の最先端に位置する珠洲市の外浦海岸に面した大谷町にあります。この町は私の生まれ育った故郷でもあるのですが、学生時代にいったん地元を離れ、若いころは都市部で生活し、36歳の時に戻ってきました。

正直、昔は「田舎やな〜」と感じ、都会にあこがれたこともあります。ただ、年齢を重ね戻ってきてからは、故郷にあるたくさんの魅力に気づきました。例えば、珠洲市は「伝説とロマンの里」と呼ばれ、ここ大谷町にも栄華を極めた平家に関する伝説が残っています。海岸線に出れば、連続テレビ小説「まれ」の舞台にもなった揚げ浜式製塩が盛んで、400年以上前からの伝統の技を受け継ぎ、ほんのりとした甘みを感じる海水塩は全国から受注が届くほどの人気です。山も近く、春は山菜やタケノコ、秋はキノコといった幸にあふれています。

秋のキリコ祭りをはじめとした催事も多く、特にGWには、近くの川に400本以上の鯉のぼりを渡す「大谷川鯉のぼりフェスティバル」があり、市内外から訪れた観光客でにぎわいます。さらに、2017年9月には「奥能登国際芸術祭」が開催され、国内外で活躍するアーティストが集まる現代アートの祭典に大きな注目が集まっています。

地域全体が大きな家族

「能登はやさしや土までも」と言われるように、人情にも厚い土地柄です。田舎町にイメージしがちな他者を受け入れない閉鎖的な雰囲気もありません。むしろ、その反対で、地域全体が大きな家族みたいですね。魚や野菜がとれたからと、隣近所におすそ分けすることもよくあります。

もちろん、見方によってはプライベートがなくなりそうで、不安に感じる方もいるでしょう。私は、そんな移住者と地域のコミュニケーションのギャップを埋めるお手伝いができるのが郵便局だと思います。なぜなら、郵便局は一つの地域や業界だけで仕事しているわけではなく、ユニバーサルサービスを提供する中立な立場で接することができると考えるからです。移住された方を私たちもしっかりとサポートします。ぜひ皆さんの視点で、珠洲で暮らす幸せを発見してもらえればうれしいですね。