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惚れこんだ白山のふもとに住んで一生撮り続けたい

白山市(大阪府から)写真家

魅了された白山を撮り続けたい

「白山をテーマに撮り続ける写真家として独立する」。これが僕の移住の目的でした。香川県で生まれ、大阪の建設会社に就職した後も、大学時代に登って魅了された白山の撮影に度々訪れていました。しかし、仕事の片手間では、狙った写真を撮ることはなかなかできませんでした。それならば「白山のふもとに移住し、写真を仕事にしよう」と決断したんです。

建設会社を辞め、2006 年に白山市へ引っ越してきました。石川県で知り合った妻は移住と転職に賛成してくれました。ありがたかったですね。

木村さんが一番のお気に入りという大汝峰から見た天上の白山(撮影: 木村芳文)

不便さもあるが充実した暮らし

現在は、小学生の2 人の子どもと4人暮らし。知らない土地で食べていくのはそりゃ大変ですよ。作品販売だけでなく、カルチャーセンターや撮影会などで写真の撮影方法を教えたり、白山の登山道整備や森林巡視も請け負ったりしています。妻は英語教室と翻訳・通訳の仕事をしています。

大変だけど、充実しているなと思えるのは、夢だった「白山を思う存分撮る」ということができているから。白山には年30 回ほど登り、山と月や星、雲が奏でる景色をカメラに収めます。ヘリコプターをチャーターして上空からも撮影することもあります。

生活の不便を感じることもありますが、山里での暮らしにも、もう慣れましたね。「地区の組織には無理に入らなくてもいいよ」と地域の方からアドバイスしていただいたこともあり、ご近所との付き合いも無理なくできています。僕が自然の象徴と惚れ込む白山の写真を、一人でも多くの方に見ていただき、その魅力が伝わればうれしいですね。

家庭菜園で妻のゆかりさんと