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じっくりとこの地に根ざし、ふるさとに

七尾市能登島町(イタリアから)一級建築士事務所「能登デザイン室」経営

イタリアよりも豊かな能登!

美しい七尾北湾を一望できる高台に、私たちのオフィス兼住宅があります。そして、ゆったりとした島暮らしのリズムから、私たちの時計や家具などの生活道具と住宅のデザインが生まれます。

能登島での生活は、夫より私が先輩。イタリアに滞在した折、訪れた北部の町で昔ながらの食文化や暮らしの豊かさに触れる中で、「イタリアも豊かだけど、生まれ育った能登も豊かで可能性がある!」と思ったのがきっかけです。

2003年に帰国後、出身地の七尾市街地から25㎞ほど離れた、先祖ゆかりの能登島の借家で一人暮らしを始めました。能登島に住んであらためて本当の豊かさに気づかされました。

薪割りは雄一さんの担当。ストーブやボイラーなどの生活の多くに薪を活用

自然とともに生き、感謝する

住民は田畑を耕し、海の恵みに感謝しながらの毎日。近所のおばあちゃんたちは人情味にあふれ、何気ない会話も楽しいものです。日本の原風景そのものの島暮らしの素晴らしさを伝えたいと、私はカフェをオープンしたり、能登の魅力を発信するサイト『能登スタイル』の運営に携わったりしました。

2006 年、イタリアで建築などの勉強をしていた夫と結婚しました。東京都出身の夫も、「自然とともに生きることの楽しさを感じていたから移住に迷いはなかった」そうです。そして、能登島での新婚生活がスタート。2人の男の子にも恵まれ、昨年12月、ついに念願のオフィス兼住宅が完成しました。

移住は誰かから後押しされるのではなく、“ 自分自身が新しい地に根付く! ” という強い決意が必要です。私たちもこの地に根を張ることで、子どもたちにとってはここが掛け替えのないふるさとになる。これからも、島の人たち、自然の恵みに感謝して日々を送っていきたいですね。

千重さんは、毎年行う「クラフトマーケット」の実行委員長も務める

一級建築士事務所「能登デザイン室」

田口雄一さん 千重さん

http://www.notodesign.jp/